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(注)
「異状死」、「異状死体」と書くこともあります)
  生存本能 

 動物は自殺しません。自らの行為によって、自らの命を絶つというのは、動物の持つ最も根源的な本能に反するからです。動物は自らの死を恐れ、死を避けようとする行動を絶えず取ります。創造説を信じようと、進化論を信じようと、この地球上に生まれて以来、動物には個体保存本能、自己保存本能、生存本能が初めから備わっているのです。

 人間も動物ですから、生存本能を持っています。人間が自殺するというのは、人間にとっても最も根源的である生存本能に逆らい、生存本能の指示に従わない行動になります。生物学的には生存本能が存在する場所は脳の中枢神経です。脳の中枢神経にただならぬ変化が起きて、生存本能が働かなくなったために、人間は自殺するのです。

 脳の中枢神経にただならぬ変化を起こすことのできるものは何と言っても薬です。特に脳の中枢神経に作用する精神治療薬、向精神薬、麻薬等は中枢神経の正常な働きに干渉し、人間が本来持つ生存本能に逆行するするような異常な行動を取らせているのです。

参照:「真実6の検証 動物実験の教えること」

薬と自殺

 WHO(世界保健機関)の国別自殺率統計(人口10万人当たりの年間自殺者数)を見ると、国民所得水準の低い、アフリカ諸国や他の発展途上国では、若干の例外はありますが、豊かな先進国と比べて全般的に自殺率が低い国が多いのが判ります。これらの国では、貧困と未発達の医療制度の故に、先進国と比べて精神治療薬が余り使われていないのだろうと推定できます。精神科医療も余り広く普及していないことと思います。これらのアフリカ諸国や発展途上国は先進国と比べてストレスが少なく、呑気に暮らしているから自殺率が低いなどというのは見当はずれの議論です。貧困、社会的インフラ不整備、医療や福祉の未発達等がありますから、途上国の人々のストレスや生き辛さは先進国よりさらに悪いかもしれません。

 日本の内閣府の自殺対策白書(平成26年判)に載っている国別自殺率のグラフでは、自殺率が最も高い国としてバルト海沿岸の国、リトアニアが挙げられています。リトアニアはソ連邦に組み入れられた共和国の一つでしたが、1990年にソ連から独立した共和国になりました。独立以降、リトアニアには西欧の製薬会社が販売の機会を求めて盛んに進出しました。するとそういった製薬会社の薬をその治療で使うような、気分障害やその他の精神障害の診断が大幅に増えました。その状況を解説したのが以下で挙げる論文です。著者のVINCENT GIEDRAITIS はアメリカのカリフォルニア大学リバーサイド校(University of California, Riverside)に籍を置く研究者です(執筆当時)。リトアニア語を解する人です。経済学を専門とする人で、精神医療の専門家ではありません。かえってそのために何がリトアニアで起きたのかについて客観的に冷静に観察しています。

”SELLING MADNESS: PSYCHOPHARMACEUTICAL COMPANIES IN LITHUANIA, 1990-2000”  (精神病の売り込み:リトアニアに於ける精神薬会社、1990-2000)

 この文献の元のリンクはこちらです。

 ソ連が崩壊し、独立共和国になってからのリトアニア(人口約3百万人)の自殺者数と自殺率を以下の表にして提示しています。
                   .
                    リトアニアの自殺者数と自殺率
Year Total Rate per
100,000
1990 969 26.0
1991 1142 30.5
1992 1294 34.6
1993 1572 42.1
1994 1703 45.8
1995 1694 45.6
1996 1723 46.4
1997 1632 44.0
1998 1554 42.0

Source: Lithuanian Ministry of Health

  その後、2004年になってリトアニアは欧州連合(EU)に加盟しています。2012年のリトアニアの自殺率は28.2名となって、大分改善が見られているようです。

 興味深いのは、この著者の指摘するところでは、共産主義の思想は物質主義に基づいており、そのために精神医療においても、生物学的モデルが昔からロシアでは優勢であったという事です。ロシアを始め旧ソ連圏の国の自殺率が総じて高いのは、その伝統がまだ残っているため、心の病の治療には宗教や精神療法ではなく、薬物療法が広く採用されているからと考えられます。

 日本の内閣府の自殺対策白書(平成26年判)の国別自殺率のグラフでは自殺率の低い国はすべてカットされて載っていません。内閣府がこのグラフを作るのに使った元のデータはWHOの集めたデータです。そこで、.WHOの国別自殺率統計(2012年)から、各国を自殺率の低い国順に並べて、最も自殺率の低い国、5ヵ国を見てみると、サウジアラビア(0.4人)、シリア(0.4人)、クエート(0.9人)、レバノン(0.9人)、オマーン(1.0人)となっています。皆、イスラム圏の国々です。

 イスラム教、キリスト教、ユダヤ教は皆、一神教の宗教で、崇拝の対象となる神は同じです。3つの宗教とも自殺は忌むべきものとされています。イスラム教だけが特別に自殺を戒めている訳ではありません。イスラム教狂信者による自爆テロをみても、自殺行為はイスラム教の信者の間でもありうることです。イスラム圏の国々で自殺が少ないのは、イスラム教の教義が理由ではなさそうです。しかしイスラム圏では、西洋的な文化や習慣が入り込んで来ることに対する反感が強いと言えます。心が不調の人(精神障害者)への対応も、伝統的なイスラムのやり方に従って行われていて、西洋の精神医学的な対応は普及していないと思われます。そのために精神科医の数が極めて少ないのです。

 これら5ヵ国の人口10万人当たりの精神科医の数をやはりWHOの統計(WHO Mental Health Atlas-2011 country profiles)から拾って、自殺率と並べて簡単な表を作ると以下のようになります。比較するため日本とアメリカ、フランス、ドイツ、イタリアの数字も表に入れました。どういう理由からか判りませんが、WHOの統計にイギリス(United Kingdom)のprofileが入っていませんので、イギリスの精神科医の数字は表には書いてありません。イタリアは精神科病院を廃止した国として知られていますが、興味深い国なので入れてみました。WHOのデータでも、イタリアではMental hospital(精神科病院)の数はゼロと書いてあります。 イタリアの自殺率は人口10万人あたり4.7人とイギリスよりもさらに低いということも注目に値します。

 
   自殺者数(10万人あたり)
(WHO Suicide Rate by Country - 2012)
精神科医(psychiatrist) の数 (10万人あたり)
(WHO Mental Health Atlas - 2011)
 サウジアラビア  0.4  2.91
 シリア  0.4  0.31
 レバノン  0.9  1.41
 クエート  0.9  2.62
 オマーン  1.0  2.31
  
 日本 18.5  10.1
 アメリカ  12.1  7.79
 フランス  12.3  22.35
 ドイツ  9.2  15.23
 イギリス  6.2  NA
 イタリア  4.7  7.81


 人口10万人あたりの精神科医の数字だけをみて、日本と西欧を単純比較することは適切ではありません。日本の場合には、このサイトで既に見て来たように、1患者5分診察で、ほぼ100%薬物療法です。1人の精神科医が1日50~60人の患者を診察することは珍しいことではありません。フランスやドイツは古くから精神医学が定着している国ですが、薬物療法だけではなく、精神療法も広く診察に取り入れられているため、一人の患者に30分~1時間かけるというのが普通ですから、一日に診察できる患者数はせいぜい10人とか、日本の数分の1です。忙しい日本の精神科医は合計すると1人で常時数百人の患者を抱えています。また日本では多剤大量処方が常態化していますから、日本中でばらまかれている、国民一人あたりの精神治療薬の量たるや世界最たるものであると推定できます。製薬会社にとっては日本は笑いが止まらない国です。

 明治時代になって、日本では西洋の精神医学が導入されました。導入前の日本、江戸時代から明治にかけて、もちろんそれより以前の時代もそうですが、日本の自殺率は現在ののイスラム圏並か、それよりもさらに低い水準であったと思われます。残念ながら、その時代の日本の自殺率を示唆する文献が今残っていないように思われます。このサイトの読者の方で何かご存知の方がいたら、是非ご連絡頂けたらと思います。

自殺学という空虚な試み - 不毛の学問

 自殺学(suicidology)という研究分野があります。人は何故自殺するのかとか、自殺を予防するにはどうしたらいいのかといったテーマの研究をする部門です。自殺学を専門とする、あるいは自殺学に多くの時間を割いている人は主として精神科医や心理学を専攻とする人が多いようです。英語で書かれ、世界的に流布している自殺学の専門誌としては以下の3誌があります。

 Crisis - The Jounal of Crisis Intervention and Suicide Prevention
 Suicide and Life-Threatening Behavior
 Archives of Suicide Reserch
 以下のようなオンラインの自殺学の専門誌もあります。
 Suicidology Online

 上記の雑誌の一つ、”Crisis”の編集長であるDiego De Leoによると、自殺に関する研究論文は世界で増え続け、2011年には3,000以上の自殺に関する研究論文(英語のもの)が世界で発表されたそうです。その内の5%が上記の3つの自殺専門誌に掲載され、残りは精神医学、心理学、一般医学、法医学、社会学などのその他の雑誌に載ったそうです。日本には精神科の
専門誌がいくつかありますが、自殺についての研究論文(日本語のもの)もしばしば掲載されています。これらの論文の執筆者は一体収入をどうやって得て、生計を立てているいるのだろうかと考えることがあります。大学、研究所等に勤務している人が多く、元をただせば市民の税金が出所である場合が多いでしょう。製薬会社の金が紛れ込んでいる可能性もあります。

 自殺学が自殺率の低減に役立っているという目に見えた効果は表れていません。その理由は、自殺の最も根本的な原因、つまり薬の作用について、研究者は誰も深く探っていないからです。これらの研究論文が取り上げているテーマは、自殺者の心理状態、社会制度や社会的背景から始まって、健康状態、経済的環境、家族状況、職業、年齢、地理的分布といったテーマから、自殺した時間帯、曜日に至るまで、微に入り細を穿って、自殺という現象を分析しています。考えられるありとあらゆる角度から自殺を分析していますが、一つだけ肝心の角度が抜けています。それは薬の働きという角度です。自殺者が服用していた薬の分析が皆無なのです。自殺者が自殺前にどんな種類の薬を(一般名や商品名レベルまで掘り下げて)服用していたか、どの位の服用量で、どの位の期間飲んでいたかといった情報が世界中どこを探してもまるでないのです。誰もそんな事を調べていないのです。

 そういった自殺者の服用していた薬についての情報が何もなければ、研究者は自殺と薬との関係について分析のしようがありません。何故こんな事態になってしまったのでしょうか?自殺者の服用していた薬の情報を伏せておきたい、表に出して露わにしたくないという勢力が世の中にあって、その人達の力が世の中の裏で働いているからです。そういった勢力とは一つには製薬会社です。二つ目には精神科医を含む医師です。処方箋薬を処方し、患者に服用させる権限を国から与えられているのは医師のみです。自分の出した薬のせいで患者が自殺していることを医師は認めたり、知られたくありません。製薬業界や日本医師会は政治家や官僚に対して隠然たる力を持っています。

 WHO(世界保健機関)はスイスのジュネーブに本部があります。自殺者の統計は発表していますが、自殺者を減らすことに繋がる意味のあるイニシアチブは何も取っていません。もっとも肝心な薬と自殺との関係を調べてくれればいいのですが、そんなことをやる気配は今のところありません。WHOの予算の4分の1は加盟国政府からの拠出金ですが、残りは民間からの寄付で賄われているようです。民間企業や民間企業が設立した財団からの寄付が4分の3です。日本の製薬会社を含む世界の大手製薬会社も寄付をしているようです。この問題について、アメリカの外交問題評議会(Council on Foreign Relations)が発行する有名な雑誌、Foreign Affairsの2011年11月9日号と2011年11月18日号にWHOの予算の内容について興味深い記事が出ています。

 WHO本部のあるスイスの人口は約800万人と少なく、国土も狭い国ですが、Hoffman La-RocheとNovartisという世界屈指の大手製薬会社が2社もあります。WHOはあくまでも独立性と中立性を保ち、製薬会社に対して遠慮をしているようなことがなければいいと思います。

日本の精神科医の多剤大量処方

 日本では公式発表された年間自殺者数が毎年3万人を超える水準が14年間続いた後、平成24年(2012年)から3万人を下回る水準にまで下がってきました。しかしこれは日本政府の内閣府、地方自治体やその他民間レベルの自殺対策が功を奏し始めた訳ではありません。日本では、数年前から精神科の薬の多剤大量処方がメディアでも問題として取り上げられ、その声が一部の精神科医にも届き、彼らが薬の処方について、以前と比べると少しは注意深くなったと考えられます。また政府の政策決定者達にとっても、そういった声が無視できないレベルにまでなってきていました。政府の政策決定者達が黙り込んで、何もしない訳には行かなくなってきたのです。そこでそういった国民の声に応えるものとして現れたのが平成26年度の診療報酬改訂です。以下に「医科点数表の解釈」から改訂部分を抜き出してみます。

  「当該患者に対して 1回の処方において 3種類以上の抗不安3種類以上睡眠,
 
4種類以上の抗うつ薬又は 4種類 以上の抗精神病薬を投与した場合 (臨時の投薬等を除く
 は,算定しない。

 この改訂までは処方についての規制がまるでなく、野放図で、精神科医のやり放題であったものが、ごく僅かながらキャップ(上限)が設けられました。

 これを見てわかることは、今まで精神科の処方が如何に無政府状態でデタラメであったかということです。精神科医の処方には何ら規制がなく、やり放題であったのです。わずかこれだけの緩い規制導入であっても、精神科医の中にはこういった規制導入に反対する勢力がいて、厚労省に対して、これに反対する意見を表明する組織的な投書キャンペーンが行われたようです。

 しかし改訂後も抗不安薬2種類と睡眠薬2種類は同時に患者に飲ませても罰されることは何もありません。抗不安薬と睡眠薬は大多数がベンゾジアゼピンです。日本のベンゾジアゼピンの添付文書にはすべからく服用期間の規定がありません。つまり4種類のベンゾジアゼピンを同時併用で、それぞれ添付文書で許された服用量の上限ギリギリまで、どんな長期間にわたって患者に飲ませても何ら精神科医は咎められることはないのです。

 それだけ大量処方する精神科医の言い訳は、患者がそれを求めるからそれに応じているのだというものです。それは薬の依存性や耐性、離脱症状という特性をまるで考えていない反論です。患者にとっての薬の副作用は彼らの方程式には入っていないのです。抗うつ薬や抗精神病薬ベンゾジアゼピン等の中枢神経に作用する薬を投与すれば、中枢神経がその薬の干渉を受けて、自然な睡眠が妨害され、入眠困難などの睡眠障害が現れるであろうことは容易に想像できます。中枢神経に作用する薬の添付文書には必ず睡眠障害が副作用の一つに入っています。添付文書には睡眠障害という副作用の発現率はわずか数パーセントと低いと書いてあることが多いですが、誤魔化されてはいけません。その低いパーセンテージの数字は臨床試験から得られた数字であるということが仮に正しいとしても、精神治療薬の臨床試験は通常4週間とか極めて短期間しか行われません。何年も長期間にわたって服用した場合に、睡眠にどういった影響が現れるか何もわからないのです。そんな長期間の研究を製薬会社はどこもやっていません。

 抗うつ薬や抗精神病薬は3種類なら許されるとなっています。抗うつ薬でも抗精神病薬でも新薬承認の臨床試験が行われた時には、その薬のみ、単剤で服用した場合の効果(ベネフィット)と安全性(リスク)を評価して、その薬の承認が行われているのです。抗うつ薬や抗精神病薬を2種類も3種類も併用した場合の臨床試験は一切行われていません。2種類、3種類飲めば、効果が2倍、3倍になるだけなら問題はありません。しかしそうは問屋がおろしません。薬には必ず副作用がつきまといます。薬の血中濃度が2倍、3倍になれば、副作用は2倍、3倍などという数字で表せない程の、取返しのつかない危害が患者に及ぶ確率が高まるのです。診療報酬を改訂したといっても全く薬理学の基本を顧みない、科学性や合理性が微塵もない規制なのです。この診療報酬改定はまるっきり何もしないよりはましといった程度の効果しか期待できません。日本の自殺率をわずかながら下げることにはつながるでしょう。しかしこれではとても十分なものとは言えません。

 平成26年の診療報酬改訂で何故こんな中途半端な規制になってしまったのでしょうか。厚生労働省のトップ官僚は精神医学や薬の専門的なことは何も判りません。専門的なことについての判断は技官と呼ばれる省内にいる精神科医としての訓練を受けていて、医師の資格を持つ専門家に任せています。そして技官たる専門家は、臨床の場で診察に携わる精神科医に気を使っているのです。これ以上厳しく規制すると仲間の精神科医や医師から猛烈な反対に会い、攻撃されることを恐れているのです。精神科村の掟に従わないと、村八分にされます。厚労省の製薬会社に対する気配りも裏で働いている要因の一つと言えます。厚労省にとって国民の生命と健康が最優先する課題でなければならないのですが、医師と製薬会社に対する遠慮がこういった理不尽でいい加減な規制を生み出しているのです。

 健康保険の診療報酬を決める中医協(中央社会保険医療協議会)の委員には医師会の代表や製薬会社の代表が入っています。委員は誰も精神医学や向精神薬の抱える重大な問題について知らないでしょう。自分の所属する組織・団体の利益が診療報酬改訂で守られているかどうかを見届けるのが彼らの役割です。中医協は利害調整の場でしかありません。中医協の審議は専ら厚労省の役人のリードによって行われています。

日本の本当の自殺者数

 日本の公式の自殺者数は、内閣府自殺対策推進室が毎年一回刊行する「自殺対策白書」に載せられていますが、元のデータは警察庁が集計したものです。警察が日常の業務として、各事案毎に現場検証を行い、自殺者の遺族等から話を聞き取り、自殺者の置かれていた状況等を総合的に勘案して、これは自殺に間違いないと判断したものを警察は自殺者として計上している筈です。例えば平成25年(2013年)の日本の年間自殺者数は27,283人となっていますが、これはそういった数字です。しかし27,283人というのは真の自殺者数を反映していません。自殺者とは別に、警察が「その他の異常死」というカテゴリーに分類している死亡があります。ここ10年「その他の異常死」は増加する傾向にあり、平成25年には148、194件もあったのです。


 「司法解剖の実施」 平成26年6月11日 警察庁刑事局 
 2015年5月20日ダウンロード

 元のサイト(警察庁)はこちら

 「その他の異常死体」は「犯罪死体」や「変死体」と区別されています。ここで警察が「変死体」と呼んでいるのは、犯罪による死亡の疑いがあるものですが、「その他の異常死体」では犯罪性は除外されています。日本は殺人が世界的にみて極めて少ない国です。この警察庁刑事局のデータでは、平成25年の犯罪死体数は514でした。
 
 一方、平成25年の「その他の異常死体」の数は148,194体でした。大雑把に言って約150,000体です。これに比べてみると、警察庁が発表した、東日本大震災による死者の数は平成27年5月8日現在で15,891名です。地震、津波で命を失った人の実に10倍の人が、毎年、日本では「その他の異常死」と判定されているのです。次の節で明らかにする様に、「その他の異常死」の中には相当数の自殺が含まれていると推定できます。日本では西欧諸国と比べて、司法解剖や死後薬毒物検査を行う比率がかなり低いようです。WHO(世界保健機関)は各加盟国から報告された各国の自殺率(人口10万人当たりの自殺者数)を発表しています。そのWHOのデータを使って、日本の内閣府の自殺対策白書では、各国を自殺率によって順位付けたグラフを作っています。しかし公式の自殺率だけを頼りに、各国を順位付けするだけでは、本当の自殺の実態は比較はできないのです。

 
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